★第5回
「フーテンジャックはなぜ泣くの」
 十一の父・鉄也に屋敷を安く譲ってもらったのに、会社から、汚職をして手に入れたのではないか
と疑われ、信はすっかり意気消沈。みかねた十一は、アフリカのケニンゴ国の大使をしている鉄也の
もとに電話を入れた。鉄也から、信の会社の社長に事情を話してもらえば、信の身の潔白が証明される
と思ったのである。鉄也は妻・邦子に「疑いなんてすぐ解けるさ・・・」と言いつつも社長に電話。
おかげで信は、疑いがはれて大喜び。一方、十一が父のために一肌ぬいでくれたことを知って心動か
された二女の夏代は、日ごろの意地悪もどこへやら、十一の写真のモデルを引き受けた。せめてもの
恩返しのつもりなのだが、それ以来、夏代の十一に対する反感は、しだいにうすれていったのである。
そんなとき、十一の先生で山岳写真家の稲葉勇作が山からひょっこり帰って来た。勇作は、借金返済の
ために十一が苦労して工面した金を、すっかり使いはたしていた。十一は頭に来て勇作をせめるが・・。
 今夜は、信の窮地を救う十一と、十一の思いやりに心を動かされ、写真のモデルを引き受ける夏代の
姿を中心に描いていく。