★第11回
「愛に充ちた家庭とは」
 ある日専務に呼ばれた信は、知人が洋服屋を始めたので注文してほしいと頼まれた。人の好い信は
断りきれず、たまたま十一が友人の結婚式に出席する背広が無いと聞いて、フレゼントすることにし
た。それを聞いた春子や秋枝は大反対。姉妹たちの猛反対をくい、頭にきた十一は「背広の金ぐらい
自分が払う」と大見得を切ってしまった。 ところが十−には背広代どころか一万の金も無い。ヤケ
になった十一は、阿万里と遊園地で遊んでいる時、拾った競馬新聞を見て特券二枚を買った。だが買
つた馬は二着と三着、がっかりした十一は馬券を捨ててしまった。 一方、十一の苦境を見かねた夏
代は、十一のジャンパーに五万円をしのばせておいた。部屋に戻つた十一は、机の上の五万円を見て
「余計なことをするな」と返しにきた。皆で十一の部屋を調べると、更にジャンパーから五万円、机
のひき出しから五万円、枕の下から一万円が出てきた。皆それぞれが心配していたのだ。そして十−
の買った馬券は審議の結果八万円の配当だという。青くなる十一の前に、阿万里が十一が捨てたはず
の馬券をさし出した。